コロモヘン便り

日日是好日。日々のこと、時々イラスト載せたりします。

ゆりちゃんの宗活~母と私~

※話の内容はあくまで子供時代の私視点の解釈です。事実とは異なることがあります。まずはご理解の上ご一読ください。

※やっさんとゆりちゃんもご理解よろしくお願いします。

※このあたりの出来事の順序があいまいで、実際の時系列とは異なってきますが、わずかな記憶のヒントとなる断片を拾い書きつづっています。暗い内容もありますが、本人は至って楽しく更新していますので、どうぞリラックスしてお読みください。

 

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 母と私たち姉弟3人での勉強会が始まった。前述した子供向けに作られた本を用いて聖書の内容を学んでいく。勉強会は毎週土曜日に行われた。当時土曜日は午前だけ授業があり、帰宅してお昼ご飯を食べながら、正午に放送していた「よしもと新喜劇」を見るのが、その頃の我が家のルーティーンだった。それにこの勉強会が加わった。

 母が読み、質問をする。「この人の名前は何と言いますか?」「誰がどんなことをしましたか?」「どんなことを言っていましたか?」など幼い弟にも分かる簡単な質問をしていく。答えが合うと何だかうれしい。単純にそういう成功体験で勉強意欲が高まっていき、次の話が楽しみになっていった。まるで児童文学書を読んでいる感じだった。

 勉強会は母の用事がある時以外、しばらく続いた。

 しかし、母と子という関係性故の馴れ合いが生じてしまい、中でも私は注意散漫になりがちで、よく母に注意を受けた。そんな折、母がそのことを相談したのか、母と同年代で仲の良い宗活仲間の女性Oさんと2人で、ある人を紹介してきた。小学5年生のことだった。

 土曜日の午後、我が家にOさんともう1人若い女性がやって来た。今日から私に聖書のことを教えてくれる人だよと紹介された女性は、20歳くらいの優しそうな雰囲気の女性だった。互いに簡単な自己紹介をした。女性Mさんも3人姉弟の長女で、我が家と同じ家族構成で、全員その宗教の活動をしている。

 Mさんとの勉強会は毎週土曜日13時に我が家で行われた。まずは薄めの小冊子から始めた。私が読み、Mさんが質問をする。Mさんが大事だと言うところにはアンダーラインを引き、Mさんが書いてねと言われた言葉を書き込んだ。

 勉強会は約1時間行われ、終わると母が紅茶と焼き菓子を運んで来てくれた。Mさんとふたりきりのお茶会。11歳と20歳。Mさんが私に質問を投げかけてくれた。私はなぜかそんなMさんに心を閉ざした。

 Mさんは決して悪くはないが心を開くことができなかった。それでもMさんは毎週来てくれるし、優しく笑顔で接してくれた。よくこんな面倒くさい不愛想な私に付き合ってくれたなと今更ながら感心した。

 そうするのも無理はない。心の奥底ではやりたくなかったのだ。無意識にしていた無駄な抵抗。その時にはまだまだ気付いていなかった。いや、自分の心にいつの間にかフタをしていたから気付かなかった。

 小学4年生の約1年ほどエレクトーンを習わせてもらっていた。夏の発表会のために衣装も縫ってくれた。しかし、自分で習いたいと言っておきながらエレクトーンを辞めたくなり、それを母に勇気を振り絞って言ったことがある。自分で辞めると決めてから口にするまですごく迷った。怒られたらどうしよう、怒られたくない。そんなことで頭がいっぱいだった。

 一世一代の告白をしたら、案の定怒られた。自分で習うと言ったのに、と。それは分かるが、何が得手不得手かはやってみないと分からない。小さな反抗の心が芽生えた。

 その頃の母のイメージはよく怒っていた。とても感情的に。弟のおもちゃを誤って踏んで壊したことがあった。母は理由も聞かず、思わずえずくほど私の背中を何度も叩いた。

 普段はいい母だったが、何か母が気に入らない言動を私がすると感情的に怒った。買い物に付き合わず怒られた。遊園地で遊びたくなかったので遊ばなかったら怒られた。ジュニアブラジャーを買ってきてくれたが恥ずかしくて着れず、しばらくしてブラジャー欲しいと言うと、「前要らんて言ったが」と言われ怒られた。何度もそれを経験するうち、私は母に何も言えなくなった。母の顔色を伺うことばかりに気を取られ、気付けば表情の乏しい子供になっていた。

 

 そんな母が始めた宗活。母の言う通り、母のお気に召すままに私は従った。その時自分にちゃんと意思があって、きっぱりやりたくないと言えていたら何か変わったのだろうか。未だにタラレバが付きまとう。

 しばらくして妹もMさんと勉強会を始めた。私が終わると次は妹、マンツーマンだった。妹はMさんと仲良くなった。私はそれを快く思わなかった。